平成28年度課題

テーマA1: オリジナルレースロボット

担当(実習日):松田(火曜日),道辻(木曜日)

(1)概要
できるだけ短い時間で指定された競技コースを移動するオリジナルレースロボットを製作する。

(a)構成
・基幹部品:車両型ロボット「ビュートローバーH8」(減速機付モータ2軸独立制御、赤外線センサ2個付、図1参照))
・タッチセンサ2個
・C言語統合開発環境「HEW」
・ロボット全体サイズ:最大200 mm程度

(b)競技方法
・競技コース:幅900 mm、長さ1,800 mm
 合板に、パネル1(ラインエリア)、パネル2(壁エリア、障害物エリア、最終エリア)を設置
・ラインエリア:直線部、大きなカーブなど基本幅は20mmとする
・壁エリア:幅25 cm、高さ150 mmのU字コースを合板で製作する
・障害物エリア:角材(30 mm×30 mm×300 mm)をコース上に一箇所取付ける
・最終エリア:タイル状(30 mm×50 mm)にラインを配置する
・各エリアをできるだけ早く通過してゴールにたどり着くまでの時間を競う
・障害物エリアを乗り越えるスムーズさ、車体のオリジナリティー(カッコよさ)についても評価する

(c)購入部分
・車両型ロボット「ビュートローバーH8」、タッチセンサ、乾電池(教員用意)
・ロボットの改造部材:在庫品ほか各班購入(コースは教員用意)

(d)製作部分
・障害物エリアを乗り越えられるように、車両型ロボットのボディや車輪などを改造する
・壁エリアを通過するためにタッチセンサを2個設置する
・動力伝達機構など、改造部品をフライス盤や旋盤で加工製作する

(2)実習の内容
・各エリアを十分理解し、改造方法や全体の大きさを、予算を含め決定する
・各エリアを通過するためのアルゴリズムを十分検討し、C言語によるプログラムを作成する

(3)参考資料:たとえば
[1] はじめてのH8マイコン~ライントレース・ロボットをC言語で実践的に使う~、島田義人、CQ出版
[2] H8マイコンによる組み込みプログラミング入門―ロボットで学ぶC言語、ヴィストン、オーム社
[3] タミヤ工作パーツで作るロボット工作ガイドブック (RoboBooks)"、城井田 勝仁、オーム社


  
   図1 ビュートローバーH8                  図2 競技コース


テーマA2: 風に向かって・ウインドカー

担当(実習日):松村(火曜日),尾関(木曜日)

(1)概要
風速3m/秒の風を動力にして風上に向って行く「ウインドカー」に挑戦する。
 
(a)構成
・羽、回転軸、ギヤ、車輪等で走行台車を構成する。
・走行台車は前後方向長さ500mm以内、高さ460mm以内、横幅460mm以内とし、質量制限はない。

(b)競技方法
・扇風機の風力で、3mのスタートラインからゴールラインを通過するまでの到達する時間を競う。スタートラインの風速は3m/秒とする。
・走行路の寸法は高さ480mm×幅480mm×長さ3000mmとし、走行レールを有する(図1参照)。
・羽根形状、走行台車などの外観や走行動作の美しさも競う。

(c)購入部分
・基幹部品:なし
・走行台車用部材:在庫品ほか各班で購入する。
・競技用具:走行路は教員が用意する。

(d)製作部分
・羽根、回転軸、車輪等の走行台車は、旋盤やフライス盤等で加工製作する。

(2)実習の内容
・上記の風速、自重そして走行抵抗を考慮して、羽根の形状、走行台車の構造を設計する。
・設計した走行台車を、工作機械を利用して機械加工する。

(3)参考資料
 (社)日本機械学会流体工学部門「流れのふしぎ展 実行委員会主催ウインドカーコンテスト」



                   図1 走行路


テーマA4: 温度差発電エコカー

担当(実習日):山崎(火曜日),倉本(木曜日)

(1)概要
温度差で発電するペルチェ素子を用いて、長時間動作するエコカーの製作に挑戦する。

(a)構成
温度差を生み出す集熱/廃熱機構と保温機構、温度差によって発電するペルチェ素子、発電から得られた電力の動作機構で構成される。

(b)競技方法
・水の温度差を利用して発電し、長時間走行するエコカーを製作する
・ろうそくや、バーナー等の加熱装置、電池、電源の使用は不可とする
・熱源/冷却源の体積、重量の制限はなし
・構造体として断熱材の使用は不可とする
・効率よく熱を回収し、どのように保温するか、また走行コースにあった車体デザインなどを工夫して、長時間の発電と動作を達成する

(c)購入部分
・基幹部品:ペルチェ素子(たとえば市販品のTEC1-12704、枚数は1~2枚。図1参照)は教員が用意する
・温度差発電エコカー構成用部材:アルミ板、アクリル板、モータ、ギアボックスなど、在庫品や購入品として調達
・高熱伝導性のペーストやシールを用いても可
・競技用品:走行コース(図2参照)、ストップウォッチ

(d)製作部分
・集熱/廃熱機構、保温機構、動力伝達機構は、旋盤やフライス盤等工作機械を利用して加工する

(2)実習の内容
・温度差発電エコカーの、集熱/廃熱機構、保温機構、動力伝達機構などを考案し、設計する
・機械加工によって設計した上記部品を製作し、組み立てる

(3)参考資料
・小山敏行:例題で学ぶ伝熱工学、森北出版株式会社(2012年)


   
     図1 ペルチェ素子           図2 走行コースのイメージ(上)と断面(下)
 (大きさ 約40×40×3.8 mm)